教室から配られたお知らせプリントの隅に、「ポンポンはご家庭でご用意ください」の一行を見つけた夜。100均に行けばいいのはわかっても、何を買えばいいのかで手が止まります。
テープを切って、巻いて、真ん中を結んで広げる。それだけのはずなのに、出てくるのは平たくてぺしゃんとしたかたまりです。振っているうちに結び目がゆるんで、毛がバラバラ落ちてくることもあります。
まん丸にふわっと広がるかどうかも、本番までバラけずにもつかどうかも、変わるのは巻く回数と、結ぶ位置と、最後にどこまで細くほぐすかです。器用さはあまり関係ありません。
ちなみに練習用なら手作りで足ります。教室から色や素材の指定が出ているときだけ、市販品を見に行くほうが早いです。
まず、100均で何を買えばいい?
必要なものは意外と少なく、100均の手芸コーナーと荷造りコーナーで一通りそろいます。買う前に決めておきたいのが、毛の部分に使うテープをどちらにするかです。
テープは、スズランかメッキのどちらかに決めます
スズランテープは、荷造りに使う幅5センチほどの平たいテープです。薄くて軽く、細く裂くとふわっと広がります。1巻きの値段が安いので、失敗してもやり直しがききます。
メッキテープは、細いリボン状で光沢があります。ステージの照明の下でキラキラと目立つかわりに、同じ本数ならスズランテープより重くなります。手芸コーナーかラッピングコーナーのあたりにありますが、置き場所は店によって違いますし、扱っていない店もあります。
迷ったら、小学校低学年くらいまでは軽いスズランテープ、見た目の華やかさを優先したいならメッキテープです。どちらかに決めてから買うと、このあとの手順で迷わずにすみます。
あとは、ビニールテープと結束バンドがあれば足ります
持ち手を巻くビニールテープと、中央をしばる結束バンド。結束バンドは無くてもよく、テープを1本多めに切り出してひも代わりにしても結べます。ハサミと、巻きつける台になる厚紙は家にあるもので間に合います。
つまり買い足すのは、毛になるテープ、ビニールテープ、結束バンドの3点です。持ち手を長くしたいなら、割り箸を1本足しておきます。色は教室の指定があればそれに合わせ、なければ衣装の色から選びます。2色をよじったタイプが置いてあることもあるので、単色で物足りなければそちらも見てみてください。
作るのは1個じゃなくて、両手ぶんの2個です
チアのポンポンは両手に1つずつ持ちます。材料も作業時間も2個ぶん見ておいてください。ここを1個で計算すると、店にもう一度戻ることになります。
スズランテープなら、パッケージの長さ表示を見て50メートル以上のものを1巻き。短いものしかなければ2巻きで足ります。メッキテープは2個で25メートルほど使うので、こちらも表示と見比べてから選びます。ビニールテープは1巻きで2個ぶんまかなえます。
スズランテープで作るなら、細く裂くのはいちばん最後です
いちばん多い失敗が、買ってすぐテープを細く裂いてしまうことです。細い状態では台にきれいに巻けません。幅のまま巻いて、結んで、切って、最後に裂く。この順番で進めます。
①芯は、仕上げたい毛の長さの2倍で用意します
芯というのは、テープを巻きつける台のことです。厚紙でも、丸めた雑誌でもかまいません。ここで大事なのが幅の決め方で、芯の幅の半分が、そのまま毛の長さになります。毛を12センチにしたいなら、芯の幅は24センチです。
A4の厚紙なら、長いほうの辺(約30センチ)に巻けば毛は15センチ、短いほうの辺(21センチ)に巻けば毛は10センチほど。小学校の低学年から中学年なら12センチ前後、園児なら8〜10センチくらいが振りやすい長さです。
②テープは幅のまま、40〜60回巻きます
芯にテープをぐるぐると重ねて巻いていきます。回数の目安は40〜60回。小さい子に持たせるなら30回前後で足ります。
幅24センチの芯だと1周で約50センチ使うので、50回巻けば1個で25メートルほど。両手ぶんで50メートルという計算です。買うときの目安はここから出ています。
巻く回数が多いほど華やかになりますが、そのぶん重くなります。迷ったら50回で1個目を作り、実際に持たせてみてから2個目で増やすか減らすかを決めると失敗しません。
芯の中央に、両側から浅い切り込みを入れておくと、次に結ぶひもがずれずに止まります。
③中央をきつく結びます
巻いたままの状態で、束の真ん中を1周させて固く結びます。結ぶひもは、厚紙と束のすきまに端から差し込むと通ります。
結ぶ前に、左右の長さがそろっているか目で確かめます。ここがずれると、片側だけ膨らんだ形になります。
結び目がゆるいと、振っているうちにほどけます。指で押さえながら、これ以上締まらないところまで引きます。もう動かない、という手ごたえが出れば大丈夫です。
④芯から抜いて、両端の輪を切り開きます
結べたら、束を芯からそっと引き抜きます。この時点では両端が輪でつながっているので、その折り返しをハサミで切り落とします。
切ると、結び目から毛先までが芯の幅の半分になります。芯幅24センチなら毛は12センチほど。ここで初めて長さが決まります。
輪のまま仕上げる作り方もありますが、まん丸に近づけたいなら切り開くほうです。
⑤毛をいっぽうに集めて、結び目を持ち手にします
切り開いた直後は、結び目を境にして毛が左右へ広がっています。全部が毛に見えて、どこを持てばいいのか分からなくなるのがこの場面です。
まず、結び目を上にして束を持ちます。そのまま、左右に分かれた毛を下へなでつけるように集めます。かさが半分になって、結び目が束のいちばん上に来ます。ここが持ち手になる部分です。
集めたら、結び目のまわり2〜3センチをビニールテープで2〜3周巻きます。軽く巻くのではなく、指で押さえながら引っぱり気味に。巻くのは結び目の上だけなので、毛の長さは12センチのまま変わりません。
握ってみて短くて頼りなければ、毛を集めるときに割り箸を1本、結び目に沿わせて一緒に巻き込みます。持ち手が5センチほど伸びて、小さい手でも握りやすくなります。
⑥最後に、1枚ずつ細く裂いていきます

ここがふわっと広がるかどうかの分かれ目です。幅5センチのままだと、何回巻いてもぺったりしたままで終わります。
1枚を指先で5ミリくらいの細さまで裂いていきます。根元を軽く押さえ、毛先から根元に向かってクシやフォークでとかすように下ろすと早く進みます。
まとめてつかんで一気にやろうとせず、1枚ずつ手前に引き出しながら裂くのがコツです。中央から右側、次に左側、最後に真ん中の重なりの順で進めると、やり残しが出ません。
全部裂き終えたら、下に向けて何度か振ってみます。毛が広がって、丸みが出てきます。
この裂く工程と、芯に巻く工程は子どもでも手伝えます。いちばん時間がかかるのもここなので、二人でやると早く終わります。ハサミを入れるところと、結び目をきつく締めるところだけ手を出しておくと、形がそろいます。
メッキテープで作るときは、ここだけ変わります
メッキテープは芯を使いません。毛の長さの2倍に少し足した長さに切りそろえます。毛を12センチにしたいなら25センチ前後です。
それを50本ほど束ね、中央をきつく結びます。あとはスズランテープと同じで、毛をいっぽうに集めて、結び目のまわりをビニールテープで巻けば完成です。もともと細いので、裂く工程はいりません。
50本で薄く見えるようなら、同じ長さの束をもう1つ作って、中央で一緒に結び直せば足せます。切ってから足せるので、最初から多く切りすぎなくて大丈夫です。
運動会用の小さめサイズにしたいときは、長さを20センチ前後にして本数も少し減らすと、小さな手でも扱いやすくまとまります。
せっかく作ったのに、ぺったんこになってしまうとき
手順どおりに作ったつもりでも、丸くならないことがあります。たいていは巻き数かほぐし方です。結ぶ位置がずれていることもあります。
巻き数が足りないとき
毛の量が少ないと、どれだけ裂いても丸くはなりません。作り直さなくても、同じ長さの束をもう1つ作って、中央で一緒に結び直せば足せます。
結ぶ位置がずれているとき
結び目が中心から外れていると、片側だけが膨らんで見えます。切り開く前なら、ほどいて結び直すのがいちばん早い直し方です。
ほぐしが甘いと、いつまでも広がりません
何枚かまとめてつかんで一気に広げると、テープが重なったまま固まります。面倒でも1枚ずつです。裂く幅が太いままでも広がらないので、細すぎるかなと思うくらいで裂いてみてください。
本番でバラけたり、持ち手が回ったりしないように
作った直後はきれいでも、練習や本番で振っているうちに結び目がゆるみ、持ち手がくるくる回り出すことがあります。
中央の結び目の上から結束バンドを1本足しておくと、緩みにくくなります。持ち手のビニールテープも、1周では回ります。2〜3周重ねて留めます。
作ってすぐは気づきにくいので、翌日にもう一度、思いきり振って確かめます。ここでゆるむようなら、本番でもゆるみます。
当日そろえておきたいのはポンポンだけではありません。動いても崩れにくい髪型については、チアの髪型、激しく動いても崩れにくくする結び方でまとめています。
振ってみて重そうなら、量を減らしてみてください

重すぎると、腕の高さが下がってきます
ボリュームがあるほど映えると思われがちですが、大事なのは振れるかどうかです。重すぎたり握りにくかったりすると、腕が疲れて動きがだんだん小さくなります。
年齢や手の大きさによって、無理なく振れる量は変わります。持ち手をしっかり握るのがまだ難しい子なら、本数を減らすか、毛を短めにしたミニサイズに。保育園や幼稚園の応援グッズなら、このミニサイズで十分に見栄えがします。手順は同じで、数を少なくするだけです。
反対に、しっかり握れる子なら本数を増やしても大丈夫です。
完成したら、一度持たせてみます
できあがったその日に、何度か振ってもらいます。腕の高さが下がってこないか、最後まで動かせそうかを見てあげてください。
見た目の華やかさより、最後まで元気に振れることのほうが、発表会や運動会では効いてきます。
作ったあと、どこにしまっておく?
置き場所も、意外と見落とされます。袋にぎゅっと詰め込むと、せっかく裂いたテープがつぶれて元に戻りません。
箱か大きめの袋に、形をつぶさないまま入れておきます。しばらく使わなかったときは、当日の朝に1枚ずつ軽くほぐし直すと、広がりが戻ります。
作るか、買うかで迷ったら
練習用なら手作りで十分です。ただ、本番用に教室から色や素材の指定がある場合は、色味をぴったりそろえるのが難しいので、市販品のほうが安心できます。
材料費だけを見れば手作りが安く上がります。とはいえ2個で1時間半前後はかかるので、その時間をほかの準備に回したいなら、買ってしまうのもひとつの選び方です。
ポンポンができて、衣装と髪型が決まったら、残るのは顔まわりです。ステージの照明の下は思っているより顔の色が飛ぶので、どこまでメイクをするかは早めに決めておくと慌てません。キッズダンスメイクのやり方、100均アイテムで発表会用に仕上げるにまとめています。
最後の曲まで腕が上がっている子は、何が違う?

発表会の会場では、最後の曲まで腕が上がったままの子と、途中からだんだん下がってくる子がいます。同じくらいの重さのポンポンを持っていてもです。
腕だけで振ろうとすると、先に肩が疲れます。体ごと動かせている子は、終わりのほうでも高さが残っています。ポンポンを軽く作るのは、その手前でできる工夫のひとつです。
腕が下がってこない子は、体をどう使っているのかで、そのあたりをまとめています。
よくある質問
両手ぶんの2個を作るのに、どのくらい時間がかかりますか?
材料をそろえたあとの作業時間で、1個あたり30分から1時間くらい、2個だと1時間半前後を見ておくとよさそうです。巻いて結ぶところは10分ほどで終わりますが、最後に1枚ずつ細く裂く工程に時間がかかります。テレビを見ながらできる作業なので、家族で手分けすると早く終わります。
汚れたら洗えますか?
テープ自体は水にぬれても傷みません。ただ、細く裂いた毛が絡まって、広がりが戻りにくくなります。汚れた部分だけ、固くしぼった布で軽くふいてから乾かすのがおすすめです。
いつまでに作っておけばいいですか?
遅くとも1週間前を目安にしてください。直前だと、材料が売り切れていたときに立て直せません。早めに作っておけば、一度練習で使ってみて、重さや持ち手を調整する時間も取れます。
チームの人数分をまとめて作ることになったら?
先に色とサイズを決め、テープをまとめ買いしておきます。芯にする厚紙を同じ幅で切って全員に配ると、仕上がりの長さがそろいます。作業は「巻く係」「結ぶ係」「裂く係」と工程で分けると、手順のばらつきが減ります。

